みみ、ふわり。

だって感情が突っ走るんだもん。

あたしが欲しかったママ友は「子供のママ友」じゃなくて「子供がいる私のママさん友達」だったってこと


心にストンとなにかが落ちるような「あ、ずっと繋がるママ友ってこういう人なんだろうな」っていうママ友が私にも出来た。


ママ友。


あの表面的な付き合いの毒々しさや白々しさがイヤで、子供のためのママ友作りってナニって思ってたし、最終的に「自分の友達は自分で作れよ」っていう、子供に丸投げ法で、あたしは自分の友達と気兼ねなく遊ぶマイライフを生きるって思ってたんだけどね。


できたのー。


フツーに。


役員会の会長と副会長さんのお2人。


あたし?会計やけどw

 

 

その2人とも看護師さんで、1人は自閉症のお子さんがいて、もう1人はダウン症のお子さんがいて。


そんな境遇だから、会長副会長は息ピッタリで、恋人のように連絡していると聞いてたw


あたしは副会長と同じマンション。


最初の役員会で、2人が選抜される「副会長」のもう1人がチョー逃げ腰で「なにこいつ」みたいな感じだったの。

 


人と関わりたくない私は、会計に立候補したんだけど、そうやって絶対やりたくないって役割に当たっちゃう人もいるよね。だけど、不安なのはみんな同じ。私も不安は不安。

 

だから、1人はあからさまに逃げ腰で、副会長1人に、片手では持てない分厚さの資料が何冊も手渡されるのを見ていて当然疑問に思った。私も自分の業務はあるから、直接は助けられないけど、これは見ていられないと思って、役員会が終わったタイミングでこっそり副会長に近づいた。

 

ズルい奴、名指しされない限りスルーしちゃう奴が許せないあたしは、副会長に「彼女逃げ腰じゃん?大変でしょ?こういう案があるんだけど、やってみたら?絶対逃げられないから。」って耳打ち。


それは、創立してからどの代の人もやっていなかったことだし「そんなんいいんかなぁ?」って不安がってた副会長に、


「今までやってなかったから今年もやらないっていうのは理由にならないでしょ?必要だから提案する、それが通るかどうかはまた別の問題。それに、その提案を園にしなくても、あたしは困らないよ?困るのはアナタだからそれは任せるけど、このままあの人放置したらひとり副会長よ?この業務量、ひとりで抱えられる?でも、あたしの案が通れば、彼女は絶対に逃げられない。じゃ、あとは任せたー!」


って感じで話したら、翌朝には園に提案しててw


「すんなり園長先生からOKでたー!ありがとう!!」


そんな経緯で仲良くなったのがキッカケ。

 


その仲良しの2人は、どちらも見事に男の子兄弟のママさん。


会長→長男、次男、三男
副会長→長男、次男
私→長男のような気質の長女


って感じでね、すんごい男の子だらけ。

 

 


ある役員会の朝。

 

納涼会しない?」って家出る前に副会長に言われてOKしたの。で、役員会が終わってみんなでベラベラ喋ってたら、大奥から「りえさーん」っていう声が。


あるママ「呼ばれてんでー」

りえさん「なんやろ、お仕置きかなw」(呼ばれることにいいイメージが沸かない生活)

 

 

で行くと、そこには会長と副会長のお姿が。

 

納涼会ってこの3人なんwww」


みたいなのが始まりー。


業務的にいつも連絡を取り合って、気の合う会長と副会長と、副会長が招き入れたりえさんの3人。ま、会長とも役員会通じてはイイ感じに仲良くお話は出来てたから、そこはスンナリ。

 

 



私さ。


今まではママ友作るなら、ひよりが遊べる女の子ママが絶対条件って思い込んでた。ひよりのためだけに作るんだから。


だけど、この2人と遊んでみて「私が欲しかったママ友って“ママさん友達”だったんだ」ってわかった。

 

 

その日は暗黒の日だったんだけど、副会長の家で3家族で集まって、お祭りのように子供たちも遊んでたけど、それよりなにより。

 

もう私がすんごい居心地いい。


この人たち好きだわー、楽しいわーってフツーにね。

 

 


旦那さんがもらってきた大量の煮込み用トマトを、トマト好きでも料理好きでもないからって理由で持ってきてくれたり、旅行にいったおみやげを親子で持ってきてくれて(同じマンション)玄関で少し話したり、実家から送って来てくれた桃をいただいたり。


そんな絵に描いたようなご近所付き合いが私にも♪ってチョー幸せ。


なにより副会長がテンション高くて、たくさん遊びの企画を考えてて、私もひよりにはアウトドアの思い出作ってあげたいからノリノリで、なんだか最近幸せなのです。

 

 


ママ友、できた♡

 

 

可愛い♡「みにきゅあ買って」5歳児のお洒落ゴコロ、みにきゅあ。

 
「おかあさん、みにきゅあかってー」
 
 
なにかと思ったやん。
マニキュアか。
 
 
時代は保育園でマニキュア遊び。
オシャンティーなママさんの影響で、ひよりもそんなの覚えてきた。
 
 
 
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うぬぬ。
 
ピンクマジック効果らしい。
 
 
私はと言うと、撮影でちょっと自分の指で補助しよっかってときに、今日なんかは使う親指だけに塗った、くらい女子力崩壊気味だわ。
 
 
「ひよも塗る?」
 
「うん!ぬってー!おててにもぬってー!!!」
 
「おててはあかん。⚪︎ちゃんは足に塗って来てたんやろ?」
 
「うーーーん。でも、てにもぬってたよかんするなぁ」
 
 
塗ってないなw
 
 
小さな足の爪に、仕事用のうすーい桜色のラメピンクを。
 
 
「うわあ!かわいいー♡」
 
 
 
 
最近、人の話を聞いてなくて、話をしてもその通り動けないので、おやつ抜きの日が続くひより。
 
 
今朝、はじめてお茶を自分で水筒に入れてくれた。
 
朝シャワーしてるお風呂場までお茶を持ってきて「やるでー」って。
 
なのに、その後あたしの話を聞いてなくて、言われるままのお片づけが出来ずに、叱られておやつ抜き宣告を受ける。
 
で、そのまま保育園へ。
 
 
 
そんな夜。
 
 
やたら1人でシャワーを浴びたがる。
 
 
「おかあさん、ゆっくりしてからきてな」
 
お風呂に行くと、すでに頭を洗い終わってた。
 
 
「におってー!」
 
「うん!いいにおーい!!洗えたんやな」
 
「うん!あしたはおやつあるといいなあとおもって」
 
 
吐くほど可愛い。
 
 
「あしたはおやつあるよ!偉かったなぁ」
 
「さっすがひよちゃん!おかあさんのこ!かわいいな」
 
 
なんか、可愛いわー。
 
ひよりって可愛いなー。
 
健気って可愛いなー。
 
いいなー。
 
 
 
今日は癒された♡
 
 
 
 
 

深層心理系のお話って好きなんだけど、ほとんどの語り手によってウザむかつくのはもったいない。


友達が心屋リセットカウンセラーというのをはじめて、その子と関わるのを一瞬でやめました笑。


あたしみたいに意思の強いアイアンメンタルで、揺らぎのない人間に、アムウェイとか心屋とか一切入る隙がないって気づかないのかしら。


ねー、
なんであたしに「カウンセリング」が必要やと思ったん?

さすがに友達でも、ノルマでも人選びなよ笑。だから馬鹿にされるねん。そういう業界の手当たり次第感。


なんの資格とってんだか、どこの教授か有名大学病院の精神科の先生か知らないけど、そんな真っ赤な他人に、数十年のあたしの人生や心理について、物の1時間程度でわかったような口たたかれてたまるかよ。


泣いても転んでも傷ついても、あたしの人生はあたしが選んで自分で悩み抜いて生きていくわ。それが人生の責任でしょ。

人に押しつけるつもりはないよ?


でも、

友達だったらそういう思考の人間ってことぐらいわかっとけよってのはエゴだから言わないけど、この先あたしの視界に入ってくれなくてよい。




そもそも論でさ?

その業界に足踏み入れたなら、あたしみたいな女に声かけるのって、ハナっから馬鹿にされて口の端で笑われて、心の中で見下されてむしろ哀れな目で見られるようなイメージを持ってる人が多いと思うんだけど、イベント誘ってくるなんて、なかなか強者だったのねー。知らなかったわ。


しかしなんなんだろうねー、あの胡散臭は。

あの集団には入りたくないわ。

いや別に、否定はしないの。
好きじゃないだけ。

小さな世界のステージに立った、何の保証もないズブの素人の高尚ぶった煽りに胸を熱くして、夢を語って高ぶっちゃってる感じが、あたしからしたら興ざめのウザめなだけで、それはもうすみません。


私は、自分の人生、例え大きく踏み外して間違っていても、人にとやかく言われたくないの。自分が負った傷から学びたいの。かさぶたをとって、新しい肌が見える瞬間に、光をつかんで、反省して産まれ変わるような感覚を自分で見つけたいの。


そんなうっすい商売根性で、人の傷口に触れて誘い込むようなのはいらないわ。心配するなら商売っ気なしにあたしをもっと見てよ。それが友達じゃん。


そんな友達が私にはたくさんいるから、余計にそう思う。


だからもう一生関わらなくていい。

一度でも、その考えに踏み込んだ人間は、その先変わっても、あたしにはもう必要ないから。



バイバイ。







今日は動画の撮影日。
朝から雨。


予備日は明日のみ。
明日は雨でも霧でも撮影編集。


昨日から天気予報とにらめっこ。

撮るなら自然光で撮りたい。
でも明日も明後日も雨。

んー、やっぱりこの光源では撮りたくない。
撮れない。


って、天気予報みたら、明日明後日が晴れマークに!


ほら、やっぱりもってる。






子供の神聖さを目の当たりにすると「清純派アイドル」の商業的清純とかなんなんだろうって思う。


タイトルなんて、いらない。


とか言っといて、えらい長いタイトルだけどタイトルのつもりで書いてないんだよね。もう、書き始めちゃってる感。


昨日はブーケを使った撮影をして、可憐なカーネーションや凛とした薔薇や、カラーに似たお花や、赤くて真っ赤な果実が入ったブーケを花屋さんにオーダーしに行って撮影。


ブーケがもともと綺麗だから、撮影はけっこうシンプルでね。それでも撮影雑貨として持ちが悪いからパターン撮影はしたけど。



花屋にて。


「こういうお花たちって、枝葉が繁殖するというか、広がるというか、そういう楽しみ方は出来ないんですよね?」

「そうだね。一時期だけ。だからこそ、それが贅沢というか。」


おっちゃん!

なるほどです。花が愛せなくてごめんね。


花、好きじゃないんだ。
買ったことも、飾ったこともほとんどない。


母がお花を大好きだったから。


花なんて、なーんにもしないのに、優しい笑顔で毎朝話しかけて、甲斐甲斐しくお水をやったりさ。


あたしは、肩もみをしたり、褒めて欲しくて、内職のお手伝いを手が真っ赤になるくらい頑張ったりしてたのに、虐待を受けて。花のどこがそんなにいいんだか、花がなにしてくれるんだかって目で、小さい頃から庭にいる優しい母の姿をリビングから眺めてた。




だから、撮影雑貨で綺麗なブーケをもらうほど困るというか。


昨日も「すぐ撮影するので、満開の咲ききってる花ばかりで」ってお願いしたんだよね。で、夜に、違う案件で動画撮影もあるって思い出して。


それが化粧品だから、これはいい!ってすぐに絵コンテ起こして、今朝は朝6時から撮影。


で、起きたのに曇り。

部屋真っ暗。


なので、ベランダで撮影セット作って頑張った朝6時。なかなか綺麗に撮れて、お花もたくさん活躍してくれたからね。


あと、薔薇なんかは枯れかけたらドライフラワーにしてずっと部屋に飾ろうと思ってる。



「忙しい」

心を亡くす、という構成の漢字。
ホントにそんな感じで今週は仕事することになる。


そんなときに、ひとり、ご飯をもぐもぐ食べながら、モゴモゴとひよりが私に言った。


「おかあさん」

「なに?」

「ひよちゃんなー、おおきくなったらごはんつくって、おかあさんをゆっくりさせてあげるねん。」




泣いちゃうわ。


「おしごといそがしいときとかにな、つくって、ゆっくりさせてあげるねん。」


一寸の曇りもない、
なんの計算もない、
純粋に思っていてくれる言葉って、
なんてやわらかいんだろう。



心がふんわりして、今とっても幸せ。





ほら!あがってきたよ。運はね、あたしみたいな人間が大好きだと思うから。

 

「ほんま悪運までもってるからコワイよなーお前は。」

 

ってあたしに言ったの誰だっけ。

 

 

あたしは、運と、理想以上のオットと、ちゃきちゃきで可愛いひより@5歳の成分で構成されてるの。

 

独身の頃は、運だけで生きてたってくらい強運。

 

 

努力はしないタイプ。

苦労がキライ、勉強はしない、ケド学習はする。

歳はまぁまぁーだけど感覚は若い。

素敵なインスピレーションをもってる。

そして、あたしの直感はとてもあざやか。

やること直感、したこと成功。

 

 

運って、こういう思考の人間が大好きなんだよね。

 

 

いつも信じてるけど、たまに落とされるときがあって。それでも「側にいて」って束縛したりしないからね。

 

戻ってきてくれるまでじっとしてる。

 

今の自分で出来ることを、目立たずやってひっそり暮らすの。

 

今回はかなり長くほったらかしにされちゃって、もうどうなってんのかと思ったけど。

 

 

 

昨日、撮影の打ち合わせをしているとき、ミーティングついでに撮影したデータチェックしてもらおうかなーってその場でアップした。

 

ネットミーティングだったから、声で繋がってるとテキストでは言いにくいことも、やんわりポンポン言って再撮とかになるんじゃないかなーって思ってたんだけど、

 

 

「いいね、綺麗だ。」

 

 

 

とか言われて、もーーーう!!!!

 

つかまえたっ☆!!!

 

つかまえたよ。

 

 

こういう心にスカッとくる感覚を一度覚えたら、あたしはもうあがっていける。

 

 

 

母親も「ひとりの出来損ないの女」だってことを、これ以上、もうこれ以上突きつけられたくもない。


リビングへ降りた。

 

そんなことを言ってたんだもんね。

少し空気が硬直する前、間髪入れずに言った。

 

 

  

私「…早く帰ってほしい、とか、4日間長いわぁ~とか、りえは短気だとかよく言えるな。聞こえてんで、2階まで。」

 

母「も~お、そんなん聞いてたんかいなぁ?(苦笑)ごめんごめん。本気でゆーてないやんかぁ。」

 

私「言うならせめて帰ってから言いや。どんな気持ちで聞いてると思ってんねん。…明日は朝イチで帰るわ。」

 

母「そんなん本気でゆってないやんかぁ!あんたはすぐ本気にする。ゆっくりしていきや、なぁ。」

 

私「いい。朝イチで帰る。」

 

 

 

充電ケーブルをとって、2階へあがった。

 

下でバツの悪い母がいつものように口数多く、父に言い訳のようなことを言ってるのが聞こえるけど、もういい。

 

 

溢れる涙以上に言いたいことなんて何もない。

 

 

 

 

 

「りえー、お風呂はいりやぁ。」

 

 

数分後、そう言いながら母が2階へ来た。

 

「もう…、ほっといて。」

 

 

 

涙声の私に、母が寄ってきた。

そして、思わず瞳孔を開くような行動に出た。


 

 

 

 

 

  


母は、私を抱きしめながら謝った。

 

「ごめんなぁー、お母さんが悪かった。ちょっとしんどかっただけなんやぁ。足にテープしてたの見たやろ?いつもよりちょっとしんどかっただけなんやぁ。でもそれをゆーたらりえちゃんまたイライラするやろ?今回はしんどかっただけなんやぁ。」

 

 

泊まりに行く初日、「お父さんと2人でジムに行ってるから昼間はおらんよー」なんて言ってた奴がしんどいって?


どのツラ下げて言ってんだか。


 


母が謝るその合間あいまで、私は小さく泣き叫んでた。

 

「そんなん、直接ゆってくれたらいいやんか。ちょっとしんどいから早めに帰って欲しいとか、事前にゆったりとか…。今回…、りえ、なんかワガママゆった?自分なりには気を遣ってたわ!」

 

「ゆってない、ゆってないよ。だからごめん。お母さんが悪かった。な?仲良くしよう。明日はゆっくりしていきや?もう仲直りしよ。だって“親子”やんか。」

 

 

 



 

親子?

 

いい言葉ねー。

親子。

 

ねぇ魔法かなんかなの?

 

自分が劣勢の喧嘩をしたときに使えばバツの悪い立場がクリアになる、そんな魔法なの?

 

 

 

母の前で嗚咽して泣くなんて…いつぶりなんだろう。

 

幼児期以来かな、嗚咽して泣きじゃくってる私の体を抱きしめながら母は謝った。胸をなでて、お腹をなでて、頬をくっつけるようにして。謝って、母も泣きそうだった。その謝ってるあいだも、「しんどかった。しんどかったんやぁ。なぁ、親子やろ?」…「仲良くしよ」。

 

 

 

 

 

 

もう、この人の口から、金輪際なにも聞けなくてもいいと思った。

 

 

 

 

母がおりた、下のリビングから聞こえる。

 

 

「りえー、いつまで怒ってんの。お風呂はいりなさいー。謝ったのにまだ怒ってるんかいな。」

 

 

 

 

 

 

彼女の謝罪は、いつも相手のためではなく自分のため。

 

だからなにも伝わらない。

むしろ怒りがこみあげてくる。

 

 

 

翌朝、オットが実家まで迎えに来る予定だった。

 

でも、お盆中のお盆で数十キロの渋滞が続き思うような時間に来れない、となり、私は待ちきれずひよりと一緒に家を出ることにした。

 

 

「迎えは?どこまで来てるん?まだなんやろ?」

 

「知らん。もう行く。」

 

「まっときーや。謝ったのにまだ怒ってるん?」

 

 

  



逆に聞きたい。

謝られたら、この胸の痛みは、傷は消えなあかんの?

 

実の娘に、可愛い孫に、「はよ帰ってほしいわ」なんて滞在中に思ってたことが、言ったことが、消えるん?

 

タイミングを考えず失礼をしたってことの謝罪は受けたよ。それは受け入れる。もういい。

 

 

だけど。

 

そう思われてたことは、この先一生忘れない。今後もし帰ることがあったら、2階で眠りにつくたびに、ひよりの顔を見ながら暗い部屋でひとり思い出すだろう。

 

どうして、あと1日待てなかった。

 

 

 

 

 

いつも悪口言ってるの、知ってるよ。

 

兄妹に電話すれば、誰か違う人間の悪口を言う。自分で電話すればいいのに、他の人間に「最近連絡とってるんか」と近況を聞いたり。それを想像するのも兄妹の口から聞くのもわりと平気だったよ。だって想像の範囲だもんね。この耳で聞いたわけじゃない。


でも今回は、この耳で聞いた。

 

 

 


「早く帰ってほしいわ。」

 

 

 



 

 

 

どうした?

 

お茶漬けを出しても帰らない厚かましいオバサンでもいた?

 

それとも、

夕飯がいるかどうかもわからないのに居座り続ける近所の子供達でもいた?

 

 

 

 

 

私たち、“親子”じゃなかったの?

 

アナタが綺麗に吐き出す「親子」ってなに?「家族」ってなに?

 

 

 

 

 

午前中に家を出た。

 

「ごめんな…。」と目も合わせずひと言だけ伝えて。

 

 

そして、坂を登ったところでひよりの水分補給に、自動販売機でカルピスウォーターを買って、少し飲ませてた。

 

 

「りえ」

 

 

車に乗った父の声だった。

 

 

「これ、忘れてるで。」

 

 

ビニール袋に、私の私物を入れて差し出した。それを握るとグッと引っ張って、「もう乗っていけや」と言った。「いやや」と、そう言った。

 

「乗っていけって」

 

「いやや!…ひより、おじいちゃんにバイバイは?」

 

「ばいばーい」

 

 

 

 

 

幼い頃、虐待を受けていた私たち兄妹を多少なり守ってくれていた父。

 

でも、ある日を境にそれはパタリとなくなった。いつものように虐待され、体にミミズ腫れを起こしながら金切り声を上げて逃げまわる私と、それを追いかける母に父が叫んだ。

 

 

「いい加減にせぇ!!!りえが死んでしまうやろ!!!」

 

 

すると母が近所中に轟くような罵声で父を怒鳴りつけた。

 

 

「やめへん!!!あんたは止める権利なんてないやろ!!!子供のことは全部私に押しつけて怒ったり嫌なことは全部私やんか!!!私だってアンタみたいに仕事から帰って、子供の可愛い寝顔見てるだけやったらこんなことせぇへんわ!!!そんな奴に止める権利なんてないやろ!!!そこで見とけばいい!!!」

 

 

それ以来、誰の助けもなくなった。

 

 

 

 

今回も、父はなにも言わず母の言いなりで、私が忘れた荷物を届けに来てくれた。だけど、その言いなりさえも腹が立って、父にありがとうも言えなかった。

 

その後、父から着信があった。

 

菓子折りを持たせてくれた義実家へと買ったものを忘れていて、ジャスコへ行くと言った私を追って、もう一度父が家を出ていた。「ジャスコの中を探したけどいなかったから郵送しておく」とLINEが来ていた。

 

 

母は、本当に言い訳ばかりで反省しない、そして動かない。

 

いつも犠牲になるのは子供と父。

 

 

 

 

 

 

そして、公園でひよりとブランコを漕ぎながら待つこと15分。

 

オットが来た。

 

 

 

 

少し哀しそうな、でも温かい、木漏れ日のような表情で迎えてくれた。

 

 

「おつかれさん。」

 

 

 

 

運気が落ちすぎてる。お盆も産みの母親からとは考えられない言葉を浴びたし…凹。

 
虐待って、いろんな形があるよね。
 
我が家は母親が絵に描いたような虐待親で、私は暴力的虐待、妹は暴力プラス性的虐待、弟も(異性だけに可愛がられたけどやはり)虐待育ち。
 
そんな親とお盆、この歳になってトラブル。
 
 
話は変わり、最近の私と言えば。
 
お盆前からフリーランスで仕事の案件とりすぎてアップアップしたし、ひより@5歳のことでママ友さんから軽めの注意を受けたり、その事情の受け止め方で自分が嫌になったりでもうガッタガタだった。
 
 
真綿のようなオットの優しさが、さらにあたしを追い詰めて、人の優しさが妬ましく、そんな優しさを傷つけたくなったり、刃物みたいに心がヒリヒリしてたくさん泣いた。
 
そんな中で実家に帰った。
 
あの親のもとで、3泊はそろそろ限界かなーって感じてたけどそうした。
 
 
母親とは相性が合わない。
 
親子でもそんなんあるんだね。
 
 
向こうのネガティヴなひと言ひと言に、超ポジティブなあたしはイライラぴりぴりしてしまって、その雰囲気を受けて、母は泣き言がいえずストレスが溜まる感じ。
 
 
大袈裟な人だ。
 
痛いツラいことも、まるで自分だけがそうであるかのように大袈裟な人だ。
 
 
それが、あたしには受け入れられない。
 
 
人に吐き出したところで、そのため息は何倍も重たい空気を出してとどまるばかり。だから言わない、我慢する私とは正反対の母。
 
「はぁーしんどい。胸がえらい。なんか熱あるんちゃうかな。動悸がする。はぁー、もう歳やなー。」
 
 
こんなことを1日に何回も当てつけるように言う。
 
 
娘と帰省しても、飼い犬を見て「(私たちが帰ってきてるから)ロンちゃんも気を遣って疲れたんやろなー。よく寝てるわぁ。」とかペローンと言う。
 
 
そのたびにイライラする。
 
しない?
 
 
久しぶりに帰って、こんな母だからそれなりに気を遣ってるのに、こんなこと言われてイライラしない?
 
 
あたしはするよ。
 
 
ご飯の片付けが済んだら「あー、やっとゆっくりできるわー。あー、えらいえらい。」
 
※えらい=関西弁?で「しんどい」
 
 
弟夫婦には姪っ子をテーマパークに連れて行ったりしてるけど、それはやっぱり立場上、お嫁さんには気を遣うだろうからってことで、私はなにも求めてない。
 
 
いやらしい話、姪っ子には1万5千円くらいのおもちゃをお店で買ってあげてるけど、私は気を使って、ネットでひよが欲しがってるおもちゃを、それの4分の1ほどの予算で最安値で調べて、あらかじめ親に買ってもらって、ジャスコへ行く前にダンボールから買い物袋に詰め替えて、ジャスコで親から娘に渡してもらう、とか、そこまで気を遣ってる。
 
親子って、そこまで気を遣うもの?
 
 
母「かなちゃん(弟の嫁)もそれくらいしてくれたらいいんやけどなぁ?こんなにネットやったら安いのに。」
 
私「でもやっぱり、その場で見てるおもちゃを買ってあげるのが一番喜ぶよ。」
 
 
なんてさ。
 
どんな気持ちで言ったと思う?
 
 
 
欲しがってたよ。
 
ひよりが1番欲しがってたおもちゃをネットで注文したけど、ジャスコにはなかったのに、いきなりおじいちゃんに「はい」って渡されて、キョトンとしてた。
 
とってつけたような「わーい」を聞いて、自分がしたことの不自然さを痛感した。
 
家で渡したほうが、よかったかな。
 
 
 
 
いつも帰省では特にどこも行かない。
 
今回も、買い出しをジャスコに行って、夜ごはんは外食にしてもらって、3日目の夜だけひよを近くの温泉に連れて行ってもらえたくらい(私は生理にて留守番)。
 
 
 
その夜、ひよはすごく嬉しそうだった。
 
私も、嬉しそうな顔を見て親にとても感謝した。
 
 
そして、2階でぐっすり寝たひよをトントンしながら「今日は楽しくてよかったなぁ。ゆっくり寝てなぁ。」と話しかけてる時に、声が聞こえた。
 
 
山の中の一軒家。
 
 
網戸にしていたら下の声が薄く響いて聞こえてくる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「…何日からいるんや?11,12,13…」
 
 
 
 
 
「早く帰ってほしいわ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ザン。
 
一瞬で、目の前が真っ黒になった。
 
激しい動悸のなか、耳を塞ぎたいのに、不服そうな小さな母の声に意識が集中する。
 
 
 
 
 
 
 
「4日間かぁー、長いなぁー。」
 
「りえは短気やわー、誰に似たんや?あんた(父)やろ。」
 
 
 
 
 
 
ひよりの寝顔を眺めながら、言いようのない悲しみでいっぱいになった。
 
 
胸が苦しくなった。
 
 
 
 
 
オットに電話したい。
 
 
すぐに、今すぐに、今聞いた母の言葉を体の中から吐き出したい。
 
 
 
 
 
スマホの充電は厳しい。
 
 
私は、両親がいるリビングへ充電ケーブルを取りに降りた