あたしが欲しかったママ友は「子供のママ友」じゃなくて「子供がいる私のママさん友達」だったってこと
心にストンとなにかが落ちるような「あ、ずっと繋がるママ友ってこういう人なんだろうな」っていうママ友が私にも出来た。
ママ友。
あの表面的な付き合いの毒々しさや白々しさがイヤで、子供のためのママ友作りってナニって思ってたし、最終的に「自分の友達は自分で作れよ」っていう、子供に丸投げ法で、あたしは自分の友達と気兼ねなく遊ぶマイライフを生きるって思ってたんだけどね。
できたのー。
フツーに。
役員会の会長と副会長さんのお2人。
あたし?会計やけどw
その2人とも看護師さんで、1人は自閉症のお子さんがいて、もう1人はダウン症のお子さんがいて。
そんな境遇だから、会長副会長は息ピッタリで、恋人のように連絡していると聞いてたw
あたしは副会長と同じマンション。
最初の役員会で、2人が選抜される「副会長」のもう1人がチョー逃げ腰で「なにこいつ」みたいな感じだったの。
人と関わりたくない私は、会計に立候補したんだけど、そうやって絶対やりたくないって役割に当たっちゃう人もいるよね。だけど、不安なのはみんな同じ。私も不安は不安。
だから、1人はあからさまに逃げ腰で、副会長1人に、片手では持てない分厚さの資料が何冊も手渡されるのを見ていて当然疑問に思った。私も自分の業務はあるから、直接は助けられないけど、これは見ていられないと思って、役員会が終わったタイミングでこっそり副会長に近づいた。
ズルい奴、名指しされない限りスルーしちゃう奴が許せないあたしは、副会長に「彼女逃げ腰じゃん?大変でしょ?こういう案があるんだけど、やってみたら?絶対逃げられないから。」って耳打ち。
それは、創立してからどの代の人もやっていなかったことだし「そんなんいいんかなぁ?」って不安がってた副会長に、
「今までやってなかったから今年もやらないっていうのは理由にならないでしょ?必要だから提案する、それが通るかどうかはまた別の問題。それに、その提案を園にしなくても、あたしは困らないよ?困るのはアナタだからそれは任せるけど、このままあの人放置したらひとり副会長よ?この業務量、ひとりで抱えられる?でも、あたしの案が通れば、彼女は絶対に逃げられない。じゃ、あとは任せたー!」
って感じで話したら、翌朝には園に提案しててw
「すんなり園長先生からOKでたー!ありがとう!!」
そんな経緯で仲良くなったのがキッカケ。
その仲良しの2人は、どちらも見事に男の子兄弟のママさん。
会長→長男、次男、三男
副会長→長男、次男
私→長男のような気質の長女
って感じでね、すんごい男の子だらけ。
ある役員会の朝。
「納涼会しない?」って家出る前に副会長に言われてOKしたの。で、役員会が終わってみんなでベラベラ喋ってたら、大奥から「りえさーん」っていう声が。
あるママ「呼ばれてんでー」
りえさん「なんやろ、お仕置きかなw」(呼ばれることにいいイメージが沸かない生活)
で行くと、そこには会長と副会長のお姿が。
「納涼会ってこの3人なんwww」
みたいなのが始まりー。
業務的にいつも連絡を取り合って、気の合う会長と副会長と、副会長が招き入れたりえさんの3人。ま、会長とも役員会通じてはイイ感じに仲良くお話は出来てたから、そこはスンナリ。
私さ。
今まではママ友作るなら、ひよりが遊べる女の子ママが絶対条件って思い込んでた。ひよりのためだけに作るんだから。
だけど、この2人と遊んでみて「私が欲しかったママ友って“ママさん友達”だったんだ」ってわかった。
その日は暗黒の日だったんだけど、副会長の家で3家族で集まって、お祭りのように子供たちも遊んでたけど、それよりなにより。
もう私がすんごい居心地いい。
この人たち好きだわー、楽しいわーってフツーにね。
旦那さんがもらってきた大量の煮込み用トマトを、トマト好きでも料理好きでもないからって理由で持ってきてくれたり、旅行にいったおみやげを親子で持ってきてくれて(同じマンション)玄関で少し話したり、実家から送って来てくれた桃をいただいたり。
そんな絵に描いたようなご近所付き合いが私にも♪ってチョー幸せ。
なにより副会長がテンション高くて、たくさん遊びの企画を考えてて、私もひよりにはアウトドアの思い出作ってあげたいからノリノリで、なんだか最近幸せなのです。
ママ友、できた♡
可愛い♡「みにきゅあ買って」5歳児のお洒落ゴコロ、みにきゅあ。
深層心理系のお話って好きなんだけど、ほとんどの語り手によってウザむかつくのはもったいない。
子供の神聖さを目の当たりにすると「清純派アイドル」の商業的清純とかなんなんだろうって思う。
ほら!あがってきたよ。運はね、あたしみたいな人間が大好きだと思うから。
「ほんま悪運までもってるからコワイよなーお前は。」
ってあたしに言ったの誰だっけ。
あたしは、運と、理想以上のオットと、ちゃきちゃきで可愛いひより@5歳の成分で構成されてるの。
独身の頃は、運だけで生きてたってくらい強運。
努力はしないタイプ。
苦労がキライ、勉強はしない、ケド学習はする。
歳はまぁまぁーだけど感覚は若い。
素敵なインスピレーションをもってる。
そして、あたしの直感はとてもあざやか。
やること直感、したこと成功。
運って、こういう思考の人間が大好きなんだよね。
いつも信じてるけど、たまに落とされるときがあって。それでも「側にいて」って束縛したりしないからね。
戻ってきてくれるまでじっとしてる。
今の自分で出来ることを、目立たずやってひっそり暮らすの。
今回はかなり長くほったらかしにされちゃって、もうどうなってんのかと思ったけど。
昨日、撮影の打ち合わせをしているとき、ミーティングついでに撮影したデータチェックしてもらおうかなーってその場でアップした。
ネットミーティングだったから、声で繋がってるとテキストでは言いにくいことも、やんわりポンポン言って再撮とかになるんじゃないかなーって思ってたんだけど、
「いいね、綺麗だ。」
とか言われて、もーーーう!!!!
つかまえたっ☆!!!
つかまえたよ。
こういう心にスカッとくる感覚を一度覚えたら、あたしはもうあがっていける。
母親も「ひとりの出来損ないの女」だってことを、これ以上、もうこれ以上突きつけられたくもない。
リビングへ降りた。
そんなことを言ってたんだもんね。
少し空気が硬直する前、間髪入れずに言った。
私「…早く帰ってほしい、とか、4日間長いわぁ~とか、りえは短気だとかよく言えるな。聞こえてんで、2階まで。」
母「も~お、そんなん聞いてたんかいなぁ?(苦笑)ごめんごめん。本気でゆーてないやんかぁ。」
私「言うならせめて帰ってから言いや。どんな気持ちで聞いてると思ってんねん。…明日は朝イチで帰るわ。」
母「そんなん本気でゆってないやんかぁ!あんたはすぐ本気にする。ゆっくりしていきや、なぁ。」
私「いい。朝イチで帰る。」
充電ケーブルをとって、2階へあがった。
下でバツの悪い母がいつものように口数多く、父に言い訳のようなことを言ってるのが聞こえるけど、もういい。
溢れる涙以上に言いたいことなんて何もない。
「りえー、お風呂はいりやぁ。」
数分後、そう言いながら母が2階へ来た。
「もう…、ほっといて。」
涙声の私に、母が寄ってきた。
そして、思わず瞳孔を開くような行動に出た。
母は、私を抱きしめながら謝った。
「ごめんなぁー、お母さんが悪かった。ちょっとしんどかっただけなんやぁ。足にテープしてたの見たやろ?いつもよりちょっとしんどかっただけなんやぁ。でもそれをゆーたらりえちゃんまたイライラするやろ?今回はしんどかっただけなんやぁ。」
泊まりに行く初日、「お父さんと2人でジムに行ってるから昼間はおらんよー」なんて言ってた奴がしんどいって?
どのツラ下げて言ってんだか。
母が謝るその合間あいまで、私は小さく泣き叫んでた。
「そんなん、直接ゆってくれたらいいやんか。ちょっとしんどいから早めに帰って欲しいとか、事前にゆったりとか…。今回…、りえ、なんかワガママゆった?自分なりには気を遣ってたわ!」
「ゆってない、ゆってないよ。だからごめん。お母さんが悪かった。な?仲良くしよう。明日はゆっくりしていきや?もう仲直りしよ。だって“親子”やんか。」
親子?
いい言葉ねー。
親子。
ねぇ魔法かなんかなの?
自分が劣勢の喧嘩をしたときに使えばバツの悪い立場がクリアになる、そんな魔法なの?
母の前で嗚咽して泣くなんて…いつぶりなんだろう。
幼児期以来かな、嗚咽して泣きじゃくってる私の体を抱きしめながら母は謝った。胸をなでて、お腹をなでて、頬をくっつけるようにして。謝って、母も泣きそうだった。その謝ってるあいだも、「しんどかった。しんどかったんやぁ。なぁ、親子やろ?」…「仲良くしよ」。
もう、この人の口から、金輪際なにも聞けなくてもいいと思った。
母がおりた、下のリビングから聞こえる。
「りえー、いつまで怒ってんの。お風呂はいりなさいー。謝ったのにまだ怒ってるんかいな。」
彼女の謝罪は、いつも相手のためではなく自分のため。
だからなにも伝わらない。
むしろ怒りがこみあげてくる。
翌朝、オットが実家まで迎えに来る予定だった。
でも、お盆中のお盆で数十キロの渋滞が続き思うような時間に来れない、となり、私は待ちきれずひよりと一緒に家を出ることにした。
「迎えは?どこまで来てるん?まだなんやろ?」
「知らん。もう行く。」
「まっときーや。謝ったのにまだ怒ってるん?」
逆に聞きたい。
謝られたら、この胸の痛みは、傷は消えなあかんの?
実の娘に、可愛い孫に、「はよ帰ってほしいわ」なんて滞在中に思ってたことが、言ったことが、消えるん?
タイミングを考えず失礼をしたってことの謝罪は受けたよ。それは受け入れる。もういい。
だけど。
そう思われてたことは、この先一生忘れない。今後もし帰ることがあったら、2階で眠りにつくたびに、ひよりの顔を見ながら暗い部屋でひとり思い出すだろう。
どうして、あと1日待てなかった。
いつも悪口言ってるの、知ってるよ。
兄妹に電話すれば、誰か違う人間の悪口を言う。自分で電話すればいいのに、他の人間に「最近連絡とってるんか」と近況を聞いたり。それを想像するのも兄妹の口から聞くのもわりと平気だったよ。だって想像の範囲だもんね。この耳で聞いたわけじゃない。
でも今回は、この耳で聞いた。
「早く帰ってほしいわ。」
どうした?
お茶漬けを出しても帰らない厚かましいオバサンでもいた?
それとも、
夕飯がいるかどうかもわからないのに居座り続ける近所の子供達でもいた?
私たち、“親子”じゃなかったの?
アナタが綺麗に吐き出す「親子」ってなに?「家族」ってなに?
午前中に家を出た。
「ごめんな…。」と目も合わせずひと言だけ伝えて。
そして、坂を登ったところでひよりの水分補給に、自動販売機でカルピスウォーターを買って、少し飲ませてた。
「りえ」
車に乗った父の声だった。
「これ、忘れてるで。」
ビニール袋に、私の私物を入れて差し出した。それを握るとグッと引っ張って、「もう乗っていけや」と言った。「いやや」と、そう言った。
「乗っていけって」
「いやや!……ひより、おじいちゃんにバイバイは?」
「ばいばーい」
幼い頃、虐待を受けていた私たち兄妹を多少なり守ってくれていた父。
でも、ある日を境にそれはパタリとなくなった。いつものように虐待され、体にミミズ腫れを起こしながら金切り声を上げて逃げまわる私と、それを追いかける母に父が叫んだ。
「いい加減にせぇ!!!りえが死んでしまうやろ!!!」
すると母が近所中に轟くような罵声で父を怒鳴りつけた。
「やめへん!!!あんたは止める権利なんてないやろ!!!子供のことは全部私に押しつけて怒ったり嫌なことは全部私やんか!!!私だってアンタみたいに仕事から帰って、子供の可愛い寝顔見てるだけやったらこんなことせぇへんわ!!!そんな奴に止める権利なんてないやろ!!!そこで見とけばいい!!!」
それ以来、誰の助けもなくなった。
今回も、父はなにも言わず母の言いなりで、私が忘れた荷物を届けに来てくれた。だけど、その言いなりさえも腹が立って、父にありがとうも言えなかった。
その後、父から着信があった。
菓子折りを持たせてくれた義実家へと買ったものを忘れていて、ジャスコへ行くと言った私を追って、もう一度父が家を出ていた。「ジャスコの中を探したけどいなかったから郵送しておく」とLINEが来ていた。
母は、本当に言い訳ばかりで反省しない、そして動かない。
いつも犠牲になるのは子供と父。
そして、公園でひよりとブランコを漕ぎながら待つこと15分。
オットが来た。
少し哀しそうな、でも温かい、木漏れ日のような表情で迎えてくれた。
「おつかれさん。」