みみ、ふわり。

だって感情が突っ走るんだもん。

お年寄りがキライっていう、世間では薄汚れたとされる感情を持っておけない。

 

お年寄りがキライ。


ホントに、ちょっと接するだけでイライラしてしまう。


自分の祖父母も好きじゃない。
理由はあんまりわからない。
老人とか、お年寄りとか、ホントにキライ。


ごめんなさい。


お年寄りに優しい人=天使


みたいな世間の方程式の縄に縛られて、あーーーーーーーって感じなんだけど、もう持っておけないから吐いたわ。

 


なんでだろうね。


前の記事にも書いたけど、うちは母親がチョー虐待ヒステリー症で、私たち子供はもちろん、おばあちゃんにもすごかった。


姑よ?

 


私が中学校くらいの頃かな。


我が家に祖父母が引っ越してくるという、母が上位の家で私は育った。


母は姑にタメ口で命令口調。姑はそれに絶対従う我慢強い人だった。それが当たり前だったから、大人になってから嫁姑問題みたいなのをテレビで見たときに、嫁が下位であることにすごく疑問を感じてた。


「おばあちゃん!食器の洗剤使いすぎやろ!!!こんなに使わんでも十分に泡たつわ!!!」


「あー、お湯使ってもったいない!!!」


痛風で、骨粗鬆症で、指だって震えてるおばあちゃんに、寒い冬でも食器を洗ってるおばあちゃんに言ったセリフ。


「なにこれ!!!こんなコゲて!!!殺す気か、こんなん食べられへんわ!!!」


おばあちゃんが作ってくれた餃子(もちろん食べられるレベル)を振り向きざまにシンクにぼーん!!!って投げたり。


「あーあ!!!おばあちゃんは肝臓が強いから足腰弱っても長生きするんやろなぁ!!!!」


それを本人の目の前で言ったときは、さすがの父が黙ってなかった。


「いい加減にせぇ!」って。

 

こんな嫌味の中で育って。それなら普通おばあちゃんに優しい気持ちにならん?って思うところだけど、いやそれが全然。なんでかなって考えたときに、理由が3つあった。


ひとつ。


生まれて初めて、おばあちゃん、おじいちゃんという人に会いに行くってなって、フェリーで行ってとても楽しみにしてたんだけど、家にお邪魔した途端、私はおばあちゃんに怒られて叩かれた。


「りえちゃん!そこは勝手に触ったらアカンよ!!めっ!」とかって。


は?て思った。


会っていきなり?
おばあちゃんって優しい人ちゃうの?


みたいな。

 


小学校低学年の頃だったかな。


玄関に飾ってあったひょうたんの置物を触ったら怒られて。小さい頃から自尊心が強すぎて、執念深い性格だったので、その初見から「おばあちゃん大嫌い」になってしまって今に至るんだと思う。


え、それだけ?


って思われるかもしれないけど、私は人から受けた嫌な思いって一生忘れないし色褪せない。それくらい人を許せない。残念だけど。苦しいけれど。仕方ない。出来ないんだもん。


そして、ふたつめ。


虐待されても母親につくのかな、子供って。なんか、やり過ぎやろってもちろん思ってるのに、母親の感情に引きずられてた。あたしもおばあちゃんには冷たかった。もともと嫌いだったし。


最後に、みっつめ。


性格でしょ。性格が悪いんだと思う。人を敬ったり受け入れたり許したり出来ない。短気だから、あのスローな言動にイライラする。年々厚かましくなるあの言動にキレそうになる。


そんな感じ。

 


「あたし老人(お年寄りではなくあえて老人)嫌いやねん」


とか言ってみ?リアルで。


ドン引きされるわマジで。


ネットでもされると思う。


でも、もう持っていられない感情だわ。これって。重たい。汚い。汚れすぎ。

 


おばあちゃんは老人ホームに入っていて、今は98歳。


家で万年嫌味言われるよりも、同じ年代のお友達と過ごすのがいいんじゃないかと思う。


ひよりは数回会ったかな。


でも、実家に帰ったときにわざわざ老人ホームに出向こうって思わない。出向こうって気持ちはある。でも、行きたいんじゃなくて、行くことが世間一般のいい子なんかなー、やっとくかなーっていう心情からで、あたし自身は別に行きたくない。

 


頭のなかでこだまする。


「おばあちゃんもう98歳やでーりえ。あーあ、100歳まで生きるんやろなぁ。」

 


電話越しの、母の声。


そんなことを言う母も、その発言も、その受け止め方も、氷みたい。


まるで。